北限のブナ林

ブナは温帯を代表する樹種で、日本では鹿児島県大隅(おおすみ)半島を南限に、主に東日本に分布しています。

北海道では渡島半島のみに分布し、寿都と長万部を結ぶ「黒松内低地帯」を北限として、本州から連続的に分布してきたブナの森が途切れます。

ここから北には北海道特有の森「針広混交林」(針葉樹と広葉樹の交じる森)が広がります。


日本の森林を考える上で重要なこのブナ自生北限地帯を代表する森として「歌才ブナ林」は、昭和3年、その価値を見出され、国の天然記念物に指定されました。

以来、ブナの森は町民有志や学術的価値を知る学者たちに守られ、静かに時を過ごしていましたが、指定から60年を経た昭和の終わり、各地でまちづくり運動が盛んに繰り広げられ、黒松内町でもブナを題材にしたまちづくり「ブナ北限の里づくり」をスタートしました。

ブナをはじめとした町内に残る多くの自然を生かし、歌才自然の家やブナセンターなどの施設を整え、ブナウオッチングツアーといったイベント、名称にブナを用いた日本酒や焼酎などの特産品づくり、このほかにもブナにこだわったまちづくりを進めています。


今では、ブナの森が持つ独特の雰囲気、四季折々の変化の美しさに魅せられた人々が、道内外からリピーターとして何度も訪れ、着実にファン層を広げています。

北海道遺産


歌才ブナ林(うたさいぶなりん)

歌才ブナ林は、昭和3年、国の天然記念物に指定されました。

およそ1万年前の最終氷期に東北南部にあったブナの北限は、その後気候の温暖化にともなって少しずつ北進してきました。


ブナが函館に到達したのが約6000年前、歌才には1000年前に到達したことがわかっています。現在もブナは北進の途上であるとのこと。近年の地球温暖化の影響も含め、500年後、1000年後にブナの北限はどう変化しているでしょうか?

歌才ブナ林春

4月下旬から5月上旬にかけては、カタクリなどの花が次々と咲きます。図鑑を片手に歩いてみてはいかがでしょうか。

夏になるとランやイチヤクソウの仲間が、ひっそりと咲いています。木の幹や落ち葉の下などにいる生き物にも目を向けてみましょう。

歌才ブナ林秋

9月下旬から木々の紅葉がはじまります。10月後半がブナの黄葉の見ごろです。11月上旬には、ブナの葉は落ちています。

冬、雪に覆われた冬のブナ林は、かんじきをはいて散策します。ほかの季節では行けない場所でも、自由に歩くことができます。

天然記念物の森は、どんなものも許可なく採取することはできません。きれいな草花も自然の中にあるからこそ美しいもの。次に訪れる人のためにも、絶対に採らないようにしましょう。自然の博物館はみんなで楽しみましょう。

注 意歌才ブナ林は天然記念物です。草花、キノコ、昆虫などを採ること、また、葉っぱ1枚石ころ一つでさえも持ち帰ることはできません。 散策路以外の場所に踏み込むこと、ゴミを捨てること、たばこを吸うなど火を使うことも厳禁です。

添別ブナ林(そいべつぶなりん)

添別ブナ林は、一周30~40分の周回コースです。

木々を縫うように通っている散策路を歩くと、いろいろなブナの木に直接触れることができます。

このブナ林の特徴は、太さ40cmほどのやや太めのブナから、ほっそりとした若木まで、様々な樹齢のブナが見られること。若いブナが多いので、木肌がとってもきれいです。地衣類の色合いも鮮やかで、木肌の模様もくっきりしています。壮齢で大木が多い歌才ブナ林と比べてみましょう。


散策路の地面は腐葉土に覆われていて、ふっかふか。まるでスポンジの上を歩いているみたいです。その地面をよく見ると、高さ10cmくらいのブナの幼木があちこちに生えています。まわりの見事なブナに目を奪われて、見逃してしまいがちですが、添別ブナ林では新しいブナの生命を身近で見ることができるのです。


ブナの誕生から成長していく「生命力」を肌で感じ取ることのできる添別ブナ林を、散策してみませんか?


白井川ブナ林(しろいかわぶなりん)

白井川ブナ林は、「北限のブナ林」の中でもその境界線(目名峠付近)に近いところにあり、春の開葉時期(5月中旬)や秋の黄葉時期(10月下旬)には、周囲の森との色の違いで北限のライン(境界)がはっきりわかります。


ブナ林入口に至る林道は施錠されているので、入林を希望される方は事前にブナセンター、または後志森づくりセンター(TEL 0136-22-1152)に御相談ください。

 

■北海道の保護林指定(昭和50年)

面積:20ヘクタール

標高:150~320m

散策路:1周1.5km(約2時間)